高血圧、減塩で予防 30歳以上の男性「5割」

■痛みなく見逃しがち…毎日の測定を

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健診・保健指導(通称メタボ健診)が今春から始まり、メタボの診断基準の一つである「血圧」を気にする人が増えてきた。高血圧は日本人に多く、30歳以上の男性の約5割、女性の約4割が悩んでいるといわれる。「国民病」ともいえる高血圧について、専門医に危険性や予防策などのポイントを聞いた。(柳原一哉)

 厚生労働省の第5次循環器疾患基礎調査(平成12年、8369人)によると、「軽症高血圧」に限ってもその割合は男性で51・7%、女性で39・7%に上る。国民医療費の概況(18年度)では、傷病分類でみた医療費が、最高額の悪性新生物(がん)に次いで高血圧性疾患は2兆2077億円にもなる。

 血圧は、心臓から送られる血液が血管壁を押す圧力のこと。伊藤貞嘉・東北大学大学院教授(腎臓内科学)によると、高い圧力にさらされる血管壁は傷つきやすく、動脈硬化が起きてくる。これが高血圧だ。

 血管壁が硬く厚くなり、血液の通り道の「内腔(ないくう)」が狭くなると血流が悪化する。このため、心臓がより強く血液を流そうとし、さらに高血圧になる悪循環が起きる。

 動脈硬化が危険視されるのは、脳梗塞(こうそく)や脳出血、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤(りゅう)など命にかかわる合併症につながりかねないためだ。

 また、血圧はメタボの診断基準に欠かせない要素。腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上に加え、高血圧や高血糖などが重複すると、生活習慣病の危険性が高まるとされる。

 これほど注意したい高血圧だが、当人は痛みなどをあまり感じないため、見逃しがちだ。そこで、専門医らは、日ごろからの血圧測定をすすめている。

 家庭医として血圧管理を指導する松村医院(東京都世田谷区)の松村真司院長は「血圧は日によって変動する。家庭用血圧計を使い毎日朝・夕と測って、記録をつけたい。続けるうちに自分の平常値が分かり、異常が出たときに分かるようになる」と指摘。そして「普段の血圧から数値が20以上高ければ、医療機関に相談してほしい」と話す。

 製薬会社ファイザー(東京都渋谷区)が行った全国の4700人(40歳以上)への調査では、脳卒中の危険因子として高血圧を挙げた人がすべての都道府県で9割を超えた。危険性が広く知られている高血圧だが、予防意識は高くなく、高血圧の診断を受けても約4割の人が医療機関を受診していない実態も、この調査で浮き彫りになった。

 では、高血圧の対処、予防はどうすればいいか。伊藤教授が呼びかけるのが、食事の減塩だ。食塩(塩化ナトリウム)をとると血中のナトリウムが増加。血中濃度を下げようと血液の水分が増えるため、血圧が高くなる。この状態が続くと、高血圧が常態化するメカニズムだ。

 だが、日本人の平均的な食塩摂取量は約11〜12グラムと決して少なくない。このため、高血圧疾患が多いこともあり、同省の「日本人の食事摂取基準」(17年版)は、男性で10グラム未満、女性で8グラム未満に減らすことを目標に掲げている。

 伊藤教授は「例えば、みそ汁1杯の食塩は2グラム程度。1日3回みそ汁を飲む人は毎回、量を半分にするよう心がけてほしい」と助言。「食事の味付けはなるべく食塩を避け、酢やレモンなどで変化をつけてみて」と提案する。

 ただ、生活習慣の改善努力を続けても、病状はよくならないこともある。そうした場合は、伊藤教授は「脳卒中などの合併症を防ぐため降圧薬が必要になってくるので主治医とよく相談してほしい」と話す。



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